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「原発のウソ」信じられる?

原発のウソ 小出裕章著 扶桑社新書
Genpatsu_no_Uso.jpg



【状態】
購入済み/読了

【傾向】
反原発 ●-+--親原発
社会思想--+●-科学技術
一般向 ●-+--専門的

【評価】





京都大学原子炉実験所 助教 の小出裕章氏が3.11事故後に書き下ろした新書です。

私atomicloveは、小出氏のことを福島の事故があるまでよく知りませんでした。
原子力に夢を持ち大学の研究者となったが、原子力の危険性を知り、その後は、学問の世界にとどまり、専門家の立場から原発に反対してきたという 信念の人 のようです。

京都大学の研究者(助教)であるくらいですから、作家の広瀬隆氏(広瀬氏の著作はまだ読んでいないので…図書館に予約中、十数人待ち…噂はかねがね)よりは(科学的正しさや論理的な思考の展開というような点において)読みごたえがあるのでは…と期待していましたが、

残念ながら、正直いって期待ハズレでした。
原発についての知識がない一般人向けにやさしく書いたのだとしても、ちょっとガッカリな内容だと感じました。
(でも結構売れているみたい)


低線量被曝の危険性についての問題

小出氏が本書で最も言いたいことの一つに、“安全な被曝量は存在しない”というのがあるみたいです。
いわゆる低線量被爆の問題です。

事故後よく枝野官房長官などが言っていた「ただちに健康に影響を及ぼすレベルではありません」という言葉。
これがウソだという主張です。


引用
 しかし、ちょっとDNAに傷がついた程度でも、その傷が細胞分裂で増やされていくわけですから「全く影響がない」なんてことは絶対に言えません。「人体に影響のない程度の被曝」などというのは完全なウソで、どんなにわずかな被曝でも、放射線がDNAを含めた分子結合を切断・破壊するという現象は起こるのです。



「ただちに…」発言は、

 確実にいえることは 「急性障害(火傷、嘔吐、下痢、脱毛、死など)はない」ということです。
 でも、晩発性障害(10年後、20年後、50年後にガンになったりする)の影響があるかどうかは正直わかりません。

ということだろうと私は理解しています。


小出氏の言うように、「少量の被曝でもどこかの細胞のDNAの一部にキズが付くなどミクロなレベルでの影響がある」というのはおそらくそのとおりでしょう。
でも、それを以って、

 分子レベルでは確実に「影響がある」のだから「影響がない」と言うのは完全なウソだ!

と言うのは、なんだか比べているものが全然違っていると思います。

なお、生物には修復機能が備わっていますので、ガンを心配して一生を過ごさなければならないのかといえば、(南関東あたりに住んでいる人が)悲観するほどではないだろう、というのが私の考えです。(素人考えですが…)

分子レベルでちょびっとでも影響があったら、健康に影響が出るというのであれば、そもそも生物は地球上で生きてこられなかったのではないですか?
年間20mSv(通常時)までの被曝が認められている原発労働者の方は皆が皆ガンを発症して悲惨な最期を遂げるのでしょうか?(250mSVまで引き上げられた現在はとりあえずおいておくとして)
自然放射能やレントゲン撮影以上の被曝をほとんどしなくたってガンになって命を落とす人はたくさんいますよね?




100mSvとか50mSv以下の低線量の被曝が健康に影響するかどうかは、専門家でも意見が分かれている問題です。

「低線量被曝でも影響がある」とするモデル(直線、しきい値なし(LNT)モデルや『超直線仮説』)を原子力推進派は認めようとしない、
とのことですが、
「低線量被曝は問題がない」とするモデル(修復効果やホルミシス効果)を原発反対派が認めないのと何が違うのでしょうか。

結局どちらも自説に都合のよいほうを採用して宣伝しているだけで、やっていることは一緒ではないですか。

本書には、『超直線仮説』(低線量被曝のほうがむしろ危険とする説)を裏付ける「バイスタンダー効果」とか「遺伝子不安定性」というような研究も出てきているよ、という紹介は書いてあります。でも小出氏自身による内容の説明はないです。
小出氏は分子生物学の専門家ではないので、自分で低線量被曝の影響の研究をしているわけではないですから。

「低線量なら影響はない」というのも仮説。
「低線量でも影響ある」というのも仮説。

どれを信じるか?宗教みたいなものです。

それなのに、自分の信じる「直線しきい値なし(LNT)モデル」や「超直線仮説」を
さも“これがホント”みたいに書くのは、あなたがウソをついていることにはなりませんか?

う~む。

学問の世界にいる人に教えて欲しいのですが…

 ある問題について、対立するいくつかの学説があるとき、
 どの説が正しくて、どの説が間違っている、というのは、
 どういう具合に認定されていくものなのでしょうか?(「真理」って言うのかな?)
 どの段階でこの問題に決着が付いたと言えるのでしょうか?

みんな自分が信じたいものを信じているだけで、どこに真実があるのか?
私には分かりません。



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プロフィール

Mr.Atomiclove

Author:Mr.Atomiclove
核・原子力と科学全般とちょっとミリタリーが好きな理系くずれ。
職業は一応半導体関連のエンジニアやってますが、理工系の道を選んだことを深く後悔しています。

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