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原発批判なら何でもアリ?-原発マフィア/船瀬俊介-

「いま3・11の後、私を非難する人は皆無だ。」
「地震大国、日本列島の海岸線に沿って原発を林立させた謎─中略─はじめから”事故を起こす”ことが目的だった……とすれば、すべて説明がつく。」

【状態】
 読了、図書館で借りた
【評価】
 反原発 ●-+--親原発
 社会思想(判定不能)科学技術
 一般向け(判定不能)専門的
【評価】
 (全くおすすめできません)



結論から書きます。
真面目に原発やエネルギー問題のことを知りたい、考えたいという人には、本書は全く読む必要はない本です。
読むべき本は他にいくらでもあります。

トンデモ本とか陰謀論とかが好きで、興味本位でネタとして読んでみたいというなら止めはしませんが…

このような本は、実は真面目な(?)反原発グループの方々にとっても迷惑なんじゃないかなぁ…と原子力応援派の私の方が心配になってしまうような内容です。
3.11以降、スイシンとハンタイの優劣が逆転したとはいえ、さすがにこの本に書かれているような内容をホイホイ信じる人がいるとは思いませんが…






『私は陰謀論は好まない』(まえがきより)という著者は、ある人物から寄せられた「子供たちのために原発を廃棄したい。・・・本当の悪はフリーメーソン」というメールに突き動かされ、原発に関する取材・考察をするうちに、人類人口の8割を削減しようとする”闇の勢力=白人支配階級=アメリカ軍事産業=ネオコン=……”による陰謀が存在するという結論に至ったそうです。
日本に建てられた54基の原子炉はその人類削減計画のための日本人抹殺装置であり、原発推進の立場を取る政治家、官僚、学者、電力会社や重電企業の幹部等などは、彼ら”原発マフィア”の手先なのだとか。



「つい最近、公安の関係者から入った情報だが、地底掘削船「ちきゅう」が、3月11日の巨大地震の震源地付近を掘削していたことを耳にした。名目は地質調査ということだか、『海底に穴を掘る』という行為自体、今回の地震にい何らかの関係があったのではないか、とみなされている

ペンタゴンからの情報
「3月11日の地震の原因として、原子爆弾を地下で爆発させたことによる人工地震の可能性が指摘されている」


著者が信頼しているB・フルフォード氏なるジャーナリストの説に従えば、3.11は日本人すべてが標的になったHAARPなる地震兵器による攻撃らしいです。米国が借金踏み倒しのために意図的に引き起こしたものだった、とか。

世界人口8割を削減する計画の一部にしては、ずいぶんとお粗末な成果とは言えませんか。

津波被害で2万人、原発事故被害で直接の死者はゼロですから。
(放射線被曝の晩発性障害による影響は不明ですが、世界人口削減目標8割に対してインパクトある数字になるとは思えません)

自然災害なのか気象兵器なのかは知りませんが、地震なんて不確実なものに頼らずとも、原発に航空機を突っ込ませたほうがよほど確実ではないですか。(アルカイダでも操ってね)

原子炉を理想的な形で破壊して、死の灰を効率的に撒き散らすことに成功したとしてどうなるのでしょうか?
著者が信頼する小出氏の盟友であり、本書にも引用されている故・瀬尾氏の浜岡原発事故被害シミュレーション 1300万人死亡の予測(「原発事故……その時、あなたは」風媒社)が的中したとしても 世界人口の0.2%にもならないのです。

私には、反原発の文献の多くが引用する瀬尾氏による浜岡原発被害のシナリオにも納得できませんが……
「原発事故……その時、あなたは」については既読ですので、そのうち思うところを書きたいと思います。


なお、著者の船瀬氏は、京大助教の小出裕章氏とも、電話で直接取材できるくらいの間柄らしいです。

なお、B・フルフォード氏とは、竹中平蔵元財務相が『白峰』という自称忍者を遣わしたほどの人物だそうです。




著者は自然エネルギーについても熱く語っています。詳細は書ききれませんが。

それによると、原発マフィアの妨害により自然エネルギーへの取り組みがことごとく潰されてきた日本を除いて、世界各国は国策で自然エネルギーの大規模開発(風力発電基地やメガソーラー)が推進されており、なかでも中国の投資額が世界で一番多いそうです。
「中国のエコエネルギー志向は、とっくに日本を追い抜いている」とか。

ではこれは・・・

原子力発電は中国の必然的な選択となる(1)=中国人有識者
Y! 【経済ニュース】 2011/05/01(日) [Searchina]

 中国は原子力を長期的な発展の重点に置いている。「十二五(第十二次五ヵ年計画:2011-2015年)」計画によると、中国は2015年までに、原子力発電施設40基を新たに建設するという。中国政府は、日本で発生した原発事故の具体的な状況と経験に基づき、今後のエネルギー政策を見直し、原子力発電に関しても、管理や運営などを強化すると発表した。
 今回の原発事故によって、中国がエネルギー政策の大まかな方針を変更することはないと考えている。中国は今後も原子力を国家エネルギー政策の重点項目と位置付け、優先的に発展させるに違いない。


中国が自然エネルギー開発に積極的なのはおそらく嘘ではないのでしょう。
しかし、原子力発電所の増設にもまた積極的であるという事実に、著者は一切触れていません。

都合の悪いことは表に出さないのは、なにも原子力ムラ村民だけの専売特許ではないようですね。



私が個人的にショックだったのは、この本の著者の船瀬氏なる人物が、これほど怪し気なことを平気で書く人が、
「日経BP」というメジャーなメディアにマトモな評論家として登場していたことです。

 SAFETY JAPAN(日経BP)
 安全・安心を守る消費スタイル
 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/d/

それで知りましたが、本書の著者の船瀬氏は、消費者運動の取り組みにも並々ならぬものがあり、
一世を風靡した「買ってはいけない」(もとは『週刊金曜日』連載のコラムだったんですね、これも知らなかった)の著者の一人。

もう何を信じればよいのやら、です。

3.11以後、原発関連本が雨後の筍のごとく多数出版されています(大半が反原発・脱原発のもの)が、このようなトンデモな主張まで、反原発本の皮さえ被っていれば、立派に書店に平積みされているとういことです。

こんなの読まされたらさすがにガックリきます。
もう私は、こんな陰謀の渦巻く、恐ろしい世の中に生きているのが嫌になってきましたよ・・・・・・


【メモ】
※そのうち、他の文献にもあたってみたいと思う

チェルノブイリ地震原因説 ミハイル・チャタエフ 行方不明
チェルノブイリ事故検討委員会 ソ連側代表物理学者レガソフ博士 「作業ミス説」発表 1988/4/26(事故からちょうど2年後)自殺

地球深部探査船「ちきゅう」について
 地球深部探査センター
 地殻を掘り抜いてマントルを直接採取しようとう凄い船のようです。世界初の試み。
 著者に言わせれば、巨大地震誘発のため海底に原子爆弾を埋めていたのだとか・・・
 

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Mr.Atomiclove

Author:Mr.Atomiclove
核・原子力と科学全般とちょっとミリタリーが好きな理系くずれ。
職業は一応半導体関連のエンジニアやってますが、理工系の道を選んだことを深く後悔しています。

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